御盆期間となりました。皆様、ご先祖様をお迎えし、ご供養の準備をよろしいですか?
そもそも「御盆供養」とは・・・
事のおこりは、お釈迦様の弟子の一人である目連という方の物語に由来します。
この目連さん、神通力(超能力)に優れた方でした。
ある夏の暑い日の事です。
木陰で休んでいる目連さんの前を楽しそうに話をしながら母と子が通り過ぎました。
目連さんはその姿に、何年も前に亡くなった母親を思い出しました。
「あぁお母さんは今、いったいどうしているのだろう?あんなに優しかったのだから、きっと素晴らしい世界で幸せに暮らしているんだろうな。そうだ!私の神通力で様子を見てみよう!」
と神通力を使ってみました。
ところが・・・お母さんは餓鬼道という地獄の一つに堕ち、お腹をすかせて苦しんでいました。
目連さんは、お母さんを助けようと神通力を使って、食べ物を施しました。
お母さんは喜び、その食べ物を手に取り、口に入れようとしましたが、その瞬間食べ物は燃えあがり、さらに苦
しんでしまいました。
目連さんは大変悲しみ、お釈迦様に相談に行きました。
お釈迦様は次のようにおっしゃいました。
「目連、お前の母は、たしかにお前に対してはとても優しかった。しかし、お前を可愛がるあまり、道理を見失ってしまったんだ。夏のある日、お前の家の前を通りかかった人が一杯の水をめぐんでくれるようお前の母にお願いをした。水瓶の水は溢れんばかりであったが、お前の母は「この水は目連の水だからあげられない」と言った。お前の母が餓鬼道に堕ちたのは、この様に生前貪りの心に執着し、人に施す事をしなかったからなのだよ」
「お母さんが、自分を思うあまり地獄に堕ちてしまったなんて・・・」目連さんは辛く悲しい思いをしました。
お釈迦様は続けます。
「過去を取り返す事は出来ないが、お前の母が出来なかった事を、今、お前が代わりにする事はできる。
7月15日には(旧暦8月15日)、これまで雨季を避けて、一箇所の場所に留まり、修行していた多くの僧侶達が外に出て来る。町の人々も集まるであろう。母親が出来なかった事をしてみなさい。」
目連さんはたくさんの食事を用意し、皆に施しました。
多くの僧侶達と供に母親の御供養もされました。
目連さんが再び神通力でお母さんの様子を見ると、白い雲に包まれ、嬉しそうに天に登っていくところでした。
目連さんは大変喜び、お釈迦様に尋ねます。
「もし後の世の人々がこのような行事をすれば、亡くなった人、家族や、御先祖様がたとえ地獄に堕ちていても救う事が出来ますか?」
お釈迦様も嬉しそうにおっしゃいました。
「今、私が話そうとしたところだ。もし孝行の心を持ち、この行事を行うなら必ず救う事が出来る
であろう。」
この物語に由来し、今日御盆供養が営まれております。
まとめますと、亡くなった家族やご先祖様に代わり、今生きている私達が功徳を積む。
この功徳は巡り巡って、亡くなった方達にも伝わり、成仏の手助けになるという事です。