先日、松戸市で行われた「ゲートキーパー」養成研修というものに参加してきました。

「ゲートキーパー」の役割は、悩みを抱えている方を早期発見し、専門家へとつなげる事です。
平成24年以来、全国の自殺者は3万人を下回っているものの、平成28年、千葉県では1千人弱、松戸市においては76人の方が自ら命を絶ってしまったそうです。
今回の研修で学んだ事を皆さんと共有できればと思い、こちらに書かせていただきました。
具体的な悩み事があって「死にたい」と発言をする人は、実は自殺願望がある人の3分の1程。
残りの3分の2は、特に思い当たる理由が無いそうです。しかし「死にたい」気持ちは確かに有る・・・
なぜこの様な事になるのか?
「死にたい」は「うつ」の一症状だからだそうです!
風邪をひくと、咳をしたり、熱がでたり等。皆似た症状になりますよね。
「うつ」も同じ。不眠や対人恐怖等。そして、、「死にたい」願望。皆似た症状になってしまうんです。
現代において、「死にたい」願望を持っている人は決して異常ではなく、普通の事
と、先生も仰っていました。
なぜなら、現代人は常にストレスの中に身をおいているからです。
24時間化に交通の発達、異常気象。さらにはSNS等の情報発信に受信。
情報化社会の影響を受けて→感情の消耗が起こり→ステルス(隠れた)疲労が蓄積されてしまう。
結果「うつ」状態に。
これが現代「疲労うつ」の典型的パターンだそうです。
感情が生じる事って、大きなエネルギーを使うんです!
一見楽しそうな趣味や旅行でさえも、ステルス疲労となり、「疲労うつ」に!
なんて事も・・・
私たちが気づかなければならない事は、「人それぞれ電池(心身の体力)が違う」という事。
疲れていないという思い込みはとても危険なんです。パフォーマンスが低下し葛藤も生んでしまう。
他人との比較
〇〇さんと同じ仕事をしているのに。あれ?何で、、自分はダメな人間だ(_ _)
過去との比較
前にも同じ事があった。その時は乗り越えられたのに。あれ?何で、、自分はダメな人間だ(_ _)
厄介な事に「疲労うつ」にはタイムラグがあるという事。
(例)会社の仕事で大きなイベントを大成功させた→絶好調だ(^▽^)→翌年。あれ?思うように仕事ができない・・・
※疲労するイベントを終えた直後に症状が出るのではなく、翌年~3年以内に心身のトラブルになる人が多い
もう一度言わせて下さい。
「人それぞれ電池(心身の体力)が違う」のです。
あなたが悪いわけではありません!
それでも頑張ってしまうあなたへ
先生によると、とにかく「休息」する事が大事で、次の様なアドバイスをくれました。
【急速(休息)充電3日コース】
刺激から離れる―物理的・心理的●癒やし系ストレス解消(楽しい事でも疲れる事はNG)
眠る食べる―――だらだら・手軽に●イメージは入院
安心する――――安心できる人といる・話す●味方効果(大変さと努力を認めてくれる人)
工夫する――――次の一手(だけ)を考える●開き直り
※充電3日コースの効果が期待できるのは40歳まで。それ以上は1週間コース、1ヶ月コースに移行
何だか調子が悪いなと感じたら、この充電コース、是非お試し下さい。
そして、あなたの周りに悩みを抱えている方がいたら、是非「味方効果」を発揮してあげて下さい。
本人の能力を認めるのではなく、「今の辛さ」と「頑張り」を認める
(例)君ならできる!ではなく、「この状態ならできないのが当たり前だよね。すごく努力しているけど、つらいよね。」(ダメな本人を認める)
終わりに、今回この「ゲートキーパー」養成研修に参加してみようと思ったきっかけをお話させていただきます。
職業と言ったら語弊があるかもしれませんが、私自身、僧侶・寺院という特殊な場に身を置いています。日常的に心身が休まらない事も多くあります。
「疲労うつ」が決して他人事ではないと感じていました。
そんな中、偶然町の掲示板で今回の研修の事を知りました。
今回講師をされた下園先生も「疲労うつ」経験者。
自分自身の守り方を学ぶため、自分の周りに、死を考える悩みを抱えてしまった人が現れたら、どう対応すべきかを学ぶため、この研修に参加しました。
大変貴重な経験をする事ができました。
ここで得た知識を役立てられるよう、日々精進して参ります。
お釈迦様も悩んで、悩んで、悩んだ末に悟りを開かれました。
悩む事は悪い事じゃない。真剣に生きている証だと私は思います。
ただ、一人で悩まず、皆で悩みましょう(^_^)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。