1.お誕生
今から約2500年前のこと。
釈迦族の王さまのご夫人、マーヤさまは子どもを授かりました。
ある夜、眠っていると、牙の6本ある白い象が胎内に入ってきたのです。
それから10ヶ月が経った頃。
出産のために里帰りをする途中、マーヤさまは、沢山の花が咲き誇るルンビニー園でお休みになりました。
そこで、花の枝に手を伸ばすと、右の脇から子どもが生まれ出てきました。
子どもは、生まれてすぐに7歩あるき、右手で天を、左手で地を指さしながら、「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)※天にも地にもただわれ独り尊し
といわれたと伝えられています。
のちのお釈迦さま、釈迦族の王子さまのお誕生です。
2.四門出遊(しもんしゅつゆう)
お誕生から7日後。
マーヤーさまは亡くなられてしまいました。
お母さまを失いましたが、王子さまは学問と武芸をしっかりと学び、情け深く、心のやさしい王子さまに成長されました。
王子さまの育ったカピラ城には、東西南北に4つの門があります。
ある日、王子さまが東の門からお城の外に出ると、老いて衰えた人がいました。そこで、人間が「老いる」ことを知ります。
次の日、南の門を出ると、病気で苦しむ人を見て「病む」ことを知ります。
その次の日には、西の門を出たところで弔いの列を見て「死ぬ」ことを知りました。
「老・病・死」の苦しみがあることを知った王子さまは、お城にもどってからも大変悩まれるのでした。
しかし、最後の北の門を出たところで、信じる心を強く持って「生きる」修行者に出会いました。
その姿を見た王子さまは、出家をして、人々の苦しみを救うことを決心されます。
3.成道(じょうどう)
出家した王子さまは、とても苦しい修行を始めます。
夜になるまで片足で立ち続けたり、首まで地面に埋まり続けたり、太陽をずっと見続けたり。いちばん難しい断食も行いました。とても厳しい修行の日々でした。
ところが、修行を続けて6年目のこと。王子さまは、苦行を続けることの無意味さに気付くのです。
苦行でやせ細った王子さまは、お身体を川で清めました。しかし、お身体はすっかり弱ったままです。
そこへスジャーターという娘がやってきて、毎日乳粥を差しあげました。すると、王子さまのお身体に少しずつ力が戻りはじめました。
回復した王子さまは、大きな菩提樹の下にお座りになりました。さとりを得るまでは、決して動かないと心に決めながら・・・。
そして、7日目の明け方にさとりを得て、「仏陀(ぶっだ)」になられるのです。
王子さまは、この時から「お釈迦さま」と呼ばれるようになりました。
4.涅槃(ねはん)
さとりを得たお釈迦さまは、インドの国々を歩いて周り、教えを伝え広げました。
中には邪魔をしようとする人もいましたが、お釈迦さまは全く気にしません。ただただ教えを広めていると、多くの人が教えを求めて集まってきました。
そうして45年が経った頃。お釈迦さまのお身体の具合が悪くなります。80歳になった時です。
お釈迦さまは、最後の旅に出られます。ようやくクシナガラにたどり着くと、シャーラ双樹の下で横にられました。
お釈迦さまの最期が近いことを知った信者や、鳥や動物、神さまや仏さままでもが、お釈迦さまに寄り添いました。
「わが亡きあとは、わが教えを守り精進せよ」というお言葉を遺されて、お釈迦さまは、静かに、涅槃にお入りにられました。
参考
『松戸のお寺』松戸佛教會
日蓮宗 妙見山 廣龍寺
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